念願のゴミ箱

これから揃えるインテリアって、もう死ぬまで買い換えない可能性も高い。
思い返してみれば、実家の掛け時計やダイニングテーブルは生まれてこのかた一度も変わってない。このまま壊れなければ、多分両親が買い換えることはもうないと思う。

10代20代の頃は、好き!いい!と思ったもの(のうちで手が届くもの)をポンポン買ってたけど、最近は「捨てるかもしれないけど買うもの」「もう一生捨てないつもりで買うもの」のどちらなのかを、買うときに意識するようになった。
年齢を重ねるにつれて、一生を共にするものを吟味して揃えていきたくなっている、と言ったほうが正しいのかも。

今あるインテリアのうちでもう捨てないつもりのものは、ヴィンテージのカウンターショーケース、Georg Jensenの掛け時計、ブラックパラティッシ、クチポールなど。
それと以前このブログにも書いたアートピースや、Guido de Zan、Joe Cariatiのガラスのフラワーベース。
これから先も好みは変わるかもしれないけど、とりあえず今のところ、これらのものとは一生一緒にいるつもりでいる。

 

そして今日、「一生捨てないもの」シリーズに新入りが加わりました。
オルスコフのスチール製ペーパーバスケットです。

このブログで最初の頃に「これぞというゴミ箱にまだ出会っていない」という話を書いているのですが、その後インテリアに向き合うようになって、やっと知った理想のゴミ箱。

フィン・ユールが自邸で使っていたプロダクトで、非常にフィン・ユールっぽいですが、デザインしたのは別のデザイナー(グレーテ・コーネロップ バング)。

オリジナルは1955年にデザインされ、ヴィンテージ市場で人気なのだそう。(わかる!)
それが半世紀ぶりに復刻され、今でも当時と変わらないハンドメイドでひとつひとつ作られてるんだとか。
血眼になってヴィンテージを探し回らずに済んでよかった!復刻してくれてありがとう!

世の中には本当にたくさんのテイストと、それぞれのテイストを好む人がいるわけですが、私の世界ではこのオルスコフがだんとつぶっちぎりの1位です。
これを超えるゴミ箱を知らないし、2番手との差がものすごい。

この理想のゴミ箱に出会ってからまた数ヶ月、ゴミ箱としてはあまりに高価なので買い渋っていましたが、多分もうこれ以上のものは出てきそうになく、どうせいつか買うのなら早いに越したことはない。と謎の理由で納得して、2020年9月末、ついに発注しました。

が、本国で生産遅延があったと連絡が入り、待ちに待って年をまたいで、やーーっと今日届きました。念願のゴミ箱!

うっとりするような曲線。

調べている間から、高価すぎてゴミ箱として使いたくないスリッパ入れやマガジンラックとして使う、という口コミを散見していました。

わかる、すごいわかる。だけど、ゴミ箱を探し続けてやっと見つけたものだから、私は絶対に紙くず入れとして使う!と決意していたのです。が。
実物を目の前にするととっても心が揺らぎます。それくらい綺麗。

ただこれをゴミ箱にしない場合、今度はゴミ箱として使ってもいいと思えるレベルだけど気に入るゴミ箱探しというわけのわからない作業を始めなきゃいけなくなって迷宮入りしそうなので、とりあえずゴミ箱として使い初めてみます。

 

フィン・ユールのデザインと誤解されるほど噂を呼んだ紙屑入れ